秋の七草ってなに?種類・意味・春の七草との違いをやさしくご紹介!

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「秋の七草、全部言えますか?」と聞かれて、すぐに答えられる方は案外少ないかもしれません。

そもそも「秋の七草」とはどのような植物のことを指すのでしょうか?また、それぞれにどんな意味があるのでしょう?

この記事では秋の七草の名前や由来をわかりやすく解説するとともに、覚えやすい語呂合わせもあわせてご紹介します。

さらに春の七草との違いや、秋にも七草がある理由についても詳しく見ていきましょう。

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秋の七草とは?風情ある草花とその魅力を紹介

秋になると、野山にはさまざまな植物が咲き誇り、季節の移ろいを感じさせてくれます。

そんな秋の風情を楽しむために選ばれたのが「秋の七草」です。

春の七草が食べて健康を願う行事に使われるのに対し、秋の七草は「眺めて季節を味わう」ことに重きを置いたもの。

鑑賞用として、昔から多くの人に親しまれてきました。

それでは、秋の七草に数えられる7種の草花について、それぞれの特徴を見ていきましょう。

◼︎ はぎ(萩)

秋の草花を代表する存在で、細かな赤紫の花をたくさんつける姿が特徴です。

マメ科の植物で、風に揺れるやわらかな枝ぶりがどこか儚げで、季節の訪れを感じさせてくれます。

◼︎ おばな(尾花)

「尾花」とは、私たちによく知られるススキのこと。

穂が光を受けてキラキラと輝き、秋の月見や野原の風景に欠かせない存在ですね。

◼︎ くず(葛)

紫色の小さな花が、円筒形にまとまって咲くつる性植物です。

地下の根からとれるでんぷんは「葛粉」として使われ、和菓子などにも利用されてきました。

◼︎ なでしこ(撫子)

秋の七草に含まれるのはカワラナデシコという日本に自生する品種。

細かく切れ込んだ花びらと、やさしい色合いが魅力で、「大和撫子」という美称の由来にもなっています。

◼︎ おみなえし(女郎花)

鮮やかな黄色の小花が、こんもりと集まって咲くのが特徴です。

古来より美しさの象徴とされ、万葉集や平安時代の和歌にもたびたび登場しています。

◼︎ ききょう(桔梗)

五角形に開く花びらが星のような形をしており、涼やかな青紫色が印象的。

白や桃色の品種も見られ、清楚で凛とした雰囲気が人々の心を引きつけます。

◼︎ ふじばかま(藤袴)

淡い紅紫色の小花がふさのように集まって咲きます。

ほのかに甘い香りを持ち古くは香料としても重宝されていましたが現在は自生する数が減り、絶滅危惧種とされています。

秋の七草の意味とは?その成り立ちや背景に迫る

秋の七草とは、野に咲く自然の草花の中から、風情や季節感を味わうために選ばれた7つの植物を指します。

昔の人々はこうした草花が咲き広がる野原を「花野(はなの)」と呼び、そこを散策しながら移ろう季節を肌で感じていたといわれています。

春の七草が食べて無病息災を願うものだとすれば、秋の七草は目で見て楽しむもの。日本人が古くから持ち続けてきた「自然と寄り添う心」を象徴する存在でもあります。

そんな秋の七草の原点は、奈良時代の歌人・山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ和歌にあります。

彼の2首の作品が、日本最古の歌集『万葉集』に残されており、現在の七草の基盤となっています。

秋の七草を詠んだ山上憶良の二つの和歌

まずは、秋の七草の発想そのものが感じられる一首からご紹介しましょう。

第一の歌:

秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花

この一首は、秋の野に咲く花々をひとつひとつ指折り数えたところ、ちょうど7種類あった、という情景を素朴に描いています。

自然を慈しむ視点が、やさしく表現されていますね。

続いて、その七草の名前を列挙したもう一首がこちらです。

第二の歌:

萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝貌の花

この和歌は、秋の七草として詠まれている植物を具体的に挙げています。

中でも「朝貌(あさがお)」については諸説あり、現代では「桔梗(ききょう)」を指すという見方が有力です。

山上憶良の詩に込められたやさしい視点

山上憶良は貴族の身分でありながら、仏教や儒教に関心を寄せ、人々の暮らしや心に寄り添うような歌を多く詠んだことで知られています。

彼の作品には、家族への思いや社会的弱者へのあたたかな眼差しがにじみ出ており、その作風は当時の歌人の中でも異彩を放っていました。

万葉集には彼の作品が78首も収録されており、その存在感の大きさがうかがえます。

こうした背景から後世の人々が憶良の和歌に触れ、「秋の七草=この7つの植物」と捉えるようになったと考えられています。

秋の七草という風習は単に植物の種類を覚えるものではなく、日本人が自然に目を向け、四季を感じながら心豊かに暮らしてきたことを象徴する文化でもあります。

現代の私たちにとっても、自然の美しさを見つめ直すきっかけになるのではないでしょうか。

秋の七草、どうやって覚える?楽しく覚えられる2つのコツ

秋の七草には7種類の植物がありますが、名前をすべて正確に言える方は少ないかもしれません。

特に似たような響きの草花が多いため、混乱してしまうこともありますよね。

そこで今回は、誰でも楽しく覚えられる「覚え方のコツ」を2つご紹介します!

● 方法①:語呂合わせでスッと覚える!

秋の七草の頭文字を使って、覚えやすいフレーズに仕立てた語呂合わせがあります。

その代表がこちら:

「お好きな服は」

このフレーズに、それぞれの植物が対応しています。

  • …オミナエシ(女郎花)

  • …ススキ(尾花)

  • …キキョウ(桔梗)

  • …ナデシコ(撫子)

  • …フジバカマ(藤袴)

  • …クズ(葛)

  • …ハギ(萩)

何度か口に出してみると、自然に記憶に残るのが不思議です。

短くて覚えやすいので、小さなお子さんにもおすすめですよ。

● 方法②:リズムで覚える!五・七・五・七・七の調べ

もうひとつのテクニックは、和歌のようなリズムに乗せて暗唱する方法です。

日本語の「五・七・五・七・七」のリズムを活用して、まるで詩や呪文のように口に出して覚えます。

ハギ・キキョウ
クズ・フジバカマ
オミナエシ
オバナ・ナデシコ
アキノナナクサ

テンポよく繰り返すことで、メロディのように記憶に定着していきます。

耳で覚えるのが得意な方にはぴったりの方法ですね。

秋の七草を覚えておくと、野山の風景がより豊かに感じられるようになりますし、季節の変化にも敏感になれます。

ぜひ自分に合った覚え方で、七草の名前を楽しく身につけてみてください。

自然とのふれあいが、ぐっと身近になるはずです。

春の七草と秋の七草、何が違うの?役割・由来・植物の特徴を比較

「七草」と聞くと、春と秋それぞれにあることをご存知の方も多いかもしれません。

しかし、その意味や成り立ち、植物の使われ方には大きな違いがあるのです。

名前は似ていても春と秋の七草は目的もルーツもまったく異なる文化として受け継がれてきました。

ここでは、それぞれの特徴を比べながら解説していきます。

秋の七草は“目で楽しむ”もの|風情ある野の花々

秋の七草は、以下の7種類の草花を指します:

萩(ハギ)・桔梗(キキョウ)・尾花(ススキ)・葛(クズ)・撫子(ナデシコ)・女郎花(オミナエシ)・藤袴(フジバカマ)

これらはすべて秋の野に自然に咲く植物で、日本人は古くからその美しさに親しみ、秋の訪れを感じてきました。

秋の七草の起源は奈良時代の歌人・山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ和歌にあるとされ、その歌は『万葉集』に収められています。

ちなみにススキを除いた6種の植物には、薬草としての効能があるものもありますが、本来の目的は「観賞すること」。

風景を楽しむ文化の一部として位置づけられています。

春の七草は“食べて祈る”もの|健康と豊作を願う年中行事

一方、春の七草は以下の植物で構成されています:

セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ(カブ)・スズシロ(ダイコン)

これらは1月7日の「人日の節句」に七草粥として調理され、一年の無病息災や健康を願って食べられる伝統行事として親しまれています。

この風習はいくつかの文化が融合して生まれたとされています。

古代中国の若菜を食べて邪気を払う習わし、日本の正月に行われていた若菜摘みの風習、さらには宮中で行われた五穀豊穣を祈る儀式などが合わさって、現在の七草粥の形になりました。

「見る七草」と「食べる七草」そのちがいを知ると季節がもっと楽しくなる

秋の七草は野の花を見て季節を感じるものであり、春の七草は体に取り入れて新しい年の健康を祈る行事として続いてきました。

どちらも自然と寄り添う日本の暮らしの中から生まれた文化であり、それぞれの役割を知ることで、四季折々の行事をより深く味わうことができます。

次に七草の話題が出たときには「春は食べる七草」「秋は眺める七草」と覚えておくとわかりやすいですよ。

まとめ|秋の七草に触れて、季節の変わり目を感じてみよう

秋の七草には、萩・桔梗・尾花(ススキ)・葛・撫子・女郎花・藤袴の7種が選ばれています。

その由来は、奈良時代の歌人・山上憶良が詠んだ和歌にあるとされ、古くから人々に親しまれてきました。

春の七草が無病息災を願って食べるものなのに対し、秋の七草は目で見て楽しむもの。

咲き誇る草花を通して、秋の訪れを感じるという、日本らしい趣のある風習です。

忙しい日々を過ごす現代人にとって、自然の中でゆったり季節を味わう時間は、なかなか取りづらいかもしれません。

街はビルや舗装道に囲まれ、草花に目を向ける機会も減っているのが現実です。

それでも、河原の土手や通学路の植え込み、公園の片隅など、ちょっと視線を変えてみると、意外にも秋の七草に出会えることがあります。

今年の秋は山上憶良のやさしい和歌に思いを重ねながら、身の回りの秋を探してみませんか?

忙しさの中にも、きっと小さな季節の気づきが見つかるはずです。

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