ライブやコンサート、演劇などに参加する際、「どの席になるのか」は大きなポイントですよね。
チケットが手に入ったあとも、「ステージからの距離は?」「どんな角度で見えるのか?」と気になる人は多いはずです。
そんななかで、最近じわじわと注目を集めているのが「吊るし席」と呼ばれるタイプの座席。
あまり耳馴染みがないかもしれませんが、実は通常の座席とはひと味違う観覧体験ができるとして、一部のファンの間では“知る人ぞ知る席”として密かな人気を集めています。
本記事ではその吊るし席とは具体的にどういう席なのか、どんな楽しみ方ができるのかを詳しく解説していきます。
吊るし席とは?意味や特徴をわかりやすく紹介
「吊るし席」という言葉は、主に大規模なアリーナ会場やホールで使われる用語で、簡単にいうと、ステージのすぐ脇や背後など、視界に制限が出やすい位置に設置された座席のことです。
照明設備の近くやスピーカーのそば、ステージのサイド真横など、演出や映像が一部見えづらくなる可能性があるため、チケット販売の初期段階では販売されないのが一般的。
「吊るし」と呼ばれる理由は、最初は機材席や関係者席として確保されていた座席を“吊るしておく”(=販売保留する)という意味合いから。
ステージ設営後に空きが出た場合に、追加席として一般販売されるケースが多いため、この名前が定着しています。
見えにくい?それともレア体験?吊るし席の見え方
吊るし席は、別名「見切れ席」や「ステージサイド席」と案内されることもあります。
以下のような特徴があり、見え方に関してはあらかじめ把握しておくことが重要です。
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ステージの真横や裏手に近いポジション
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出演者の表情が見えにくいケースも
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スクリーンや映像演出が視界に入らないことがある
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機材やセットの裏側にあたる場合、演出の一部がまったく見えないことも
こうした点だけを見ると、「ちょっと損なのでは?」と思うかもしれませんが、実はこの独特の視点だからこそ得られる体験もあるんです。
通なファンが惹かれる理由|吊るし席の意外なメリット
「少し見切れてもいいから、この位置で見たい」と吊るし席をあえて狙うファンも存在します。
その理由には、以下のような魅力があります。
▷ 驚くほどステージとの距離が近い
横や裏手に配置されるため、出演者がすぐ目の前を通過する瞬間があることも。
「こんな近くで見られるなんて!」という感動を味わえる場合があります。
▷ 一風変わった角度からリアルな様子を堪能できる
正面とは異なる視点だからこそ、細かな動きや舞台の裏側の様子まで観察でき、より“生”の臨場感を感じやすいのがポイント。
▷ 希少価値が高く、チケットが取れなかった人の救世主に
人気イベントでは完売してしまうことが多いですが、吊るし席は後日販売が多いため、諦めかけていたファンにとって“最後の希望”になることも。
▷ ステージ全体を使った演出がある場合、没入感が高まる
360度演出やサイド演出があるライブでは、ステージ裏や横の座席でも楽しめる工夫がなされているケースが多く、思いがけない迫力を味わえることもあります。
吊るし席を選ぶ前に押さえておきたい注意点
吊るし席には魅力がある反面、選ぶ際にはいくつかのポイントに気をつける必要があります。
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一部が見えないのは当たり前と心得ておく
見切れがある前提で楽しむスタンスが大切です。 -
販売ページに記載された注意書きを必ず確認
ほとんどの公演では、「ステージや演出の一部が見えない可能性があります」と明示されています。 -
過去のレビューを参考にするのも有効
SNSやブログで「吊るし席からの視界」「音の聞こえ方」などを記録してくれている人が多く、事前に調べておくとイメージしやすくなります。
吊るし席に関するよくある質問【Q&A】
Q1. 吊るし席の販売はいつごろ始まるの?
A. ステージ構成が固まったあと、公演直前に「追加販売」として発表されることが多いです。公式サイトやSNSをこまめにチェックしましょう。
Q2. 吊るし席は通常より安く買える?
A. イベントによって異なりますが、割引価格になるケースもあれば、通常料金と同じこともあります。「見切れ」の有無で変動があるため要確認です。
Q3. 見切れててもライブを楽しめる?
A. はい。距離感や臨場感を重視する人には非常に魅力的な席です。全体の演出を重視する人には向かないこともありますが、「その場の熱」を感じたい人にはおすすめ。
Q4. 吊るし席があるのはどんな公演?
A. ドーム・アリーナクラスのライブ、2.5次元舞台、人気グループの公演など、大規模イベントで見られることが多いです。
リアルな声|体験メモ
某男性アイドルのドームライブで吊るし席になりました。モニターはまったく見えなかったけど、花道を通って戻ってくるメンバーを真正面で見られてびっくり!
正面からの演出は確かに見切れてたけど、「この角度ならでは」の迫力に鳥肌が立ちました。臨場感を味わいたい人にはおすすめです。
このように、映像や演出よりも“近さ”や“体感”を大事にする人にとっては、むしろ当たり席に感じられることもあるのです。
吊るし席の特徴まとめ【早見表】
項目 | 内容 |
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主な配置場所 | ステージ横・背後・機材周辺 |
販売タイミング | 公演数日前〜当日直前(追加販売として) |
価格帯 | 通常価格〜割引価格(イベントにより異なる) |
見え方の特徴 | 演出やスクリーンが一部見えないこともある |
向いている人 | 出演者との距離を重視/レアな視点を楽しみたい/一般席を逃した人など |
注意すべき点 | 音がこもる場合あり/視界に保証なし |
対象となる公演 | 大規模アリーナ/アイドルライブ/舞台/フェスなど |
最後に|吊るし席は“知ってる人だけが得する”チャンスの席
吊るし席は、一般的な観覧スタイルとは異なり、限られた人だけが体験できる“特別な視点”を提供してくれます。
「演出がすべて見えなくてもいいから、できるだけ近くでライブの空気を感じたい」
「普通じゃ味わえない角度から観てみたい」
そんな人にとって、吊るし席はまさに穴場。
ときにはプレミア席よりも価値のある経験になることもありますよ。