「何度も伝えてるのに、どうして報連相をしてくれないんだろう…」
そんなふうに感じたこと、きっと一度や二度じゃないですよね。
職場のスムーズなやりとりには、報告・連絡・相談(いわゆる「報連相」)が欠かせないのは言うまでもありません。でも実際には、それがうまくできない人も意外と多いものなんです。
- 「伝えるタイミングがわからない」
- 「報告したところで意味あるの?」
など、本人なりの理由があって、つい後回しになってしまっているケースもあるんですよね。
普段から自然に報連相をこなしている側からすると、「なぜそんな簡単なことができないの?」と思ってしまうかもしれません。
でもそこには性格の違いや経験の差、そしてちょっとした心理的な壁が関係していることもあるんです。
そこで今回は報連相が苦手な部下によく見られる傾向をタイプ別に整理し、それぞれに合った声かけやサポートの仕方をまとめてみました。
「最近、あの人とのやりとりがうまくいかないな…」と感じている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
きっと関係性を少しずつ前向きに変えるヒントが見つかるはずですよ。
見逃しがち?報連相が苦手な人にありがちなタイプとは
「どうしてあの人、報連相をしてこないんだろう…」と、職場で疑問に思ったことってありませんか?
実は、報連相がうまくできない背景には、性格や考え方の癖が関係していることも多いんですよね。
ここでは、そうした人たちに見られやすいタイプをいくつかピックアップしてご紹介していきます。
1. 自分でなんとかしようと抱え込みがちな完璧主義タイプ
何でも自分の力でやりきろうとするあまり、人に頼ったり相談したりすることが後回しになってしまうタイプです。
「ミスを知られたくない」「周りに迷惑をかけたくない」という気持ちが強くて、つい一人で抱え込んでしまうことも。
結果として、報告のタイミングを逃してしまう…なんてことも起きがちですよね。
2. 怒られるのが怖くて動けない慎重すぎるタイプ
何かを報告することで自分が怒られるのでは、と必要以上にビクビクしてしまうタイプです。
「できればバレずに済ませたい」と思ってしまい、ミスを隠したままにしてしまうケースも少なくありません。
そのため、報連相のタイミングが大幅に遅れてしまうこともあるんですよね。
3. 報連相は不要と思い込んでいる“自分だけで完結タイプ”
「仕事は自分の担当範囲だけやればいい」と考えている人に多いのがこのタイプ。
報告することの意味をあまり感じておらず、チーム全体で動いているという意識が薄い傾向があります。
こういった人には、まず「報連相がなぜ必要なのか」を丁寧に説明していくことが大切ですよね。
4. 一応伝えてはいるけど…内容が伝わらない“形だけタイプ”
「ちゃんと伝えたつもり」でも、話の中身があいまいだったり、肝心な情報が抜けていたりするタイプです。
話している本人には伝えた実感があるものの、受け手からすると「結局どういうこと?」とモヤモヤが残ることも。
このタイプには、“伝えること”そのものよりも、“伝わること”を意識するよう促す必要がありそうですよね。
タイプ別に考える!報連相をスムーズに育てる関わり方のコツ
「報連相が苦手なんだな…」と感じる場面って、現場では意外と多いですよね。
でもその理由って、性格や考え方のクセによってさまざまなんです。
一人ひとりの特徴に合わせた声かけや対応を意識することで、少しずつでも報連相の習慣が育っていくもの。
ここではよくある4つのタイプ別に、関わり方のヒントをご紹介していきますね。
1. 完璧を求めすぎて一人で抱え込んでしまうタイプ
こんな言葉がけが最適
「全部終わってなくても大丈夫だよ。途中でも“ここまで進んでます”って教えてくれるとすごく助かるんだ」
接し方のポイント
このタイプには、完璧じゃなくても報告していいんだ、という安心感を伝えることが何より大事ですよね。
ちょっとした進捗報告にも「ありがとう」とリアクションすることで、「話していいんだ」と感じてもらいやすくなります。
2. 怒られるのが怖くてなかなか言い出せないタイプ
こんな言葉がけが最適
「早めに知らせてもらえるとすごく助かるよ。何か問題があっても責めたりしないし、一緒に解決方法を考えよう」
接し方のポイント
報告があったときには、まず「知らせてくれて助かったよ」と受け止める姿勢を見せることが大切です。
とくにトラブルがあったときこそ、「言ってよかった」と思ってもらえるような対応が信頼につながるんですよね。
3. 連携の意識が薄くて、自分だけで進めようとするタイプ
こんな言葉がけが最適
「報連相って、実は“できる人”が自然にやってることなんだ。上司とのやりとりも、仕事のスキルのひとつだよ」
接し方のポイント
「どうして報連相が必要なのか?」をただ押しつけるのではなく、実際の仕事の中での具体例(たとえば業務効率が上がるとか、リスクの回避につながるとか)を交えて説明してあげるのがコツです。
チームで動くことが、自分の評価や成果にも関わってくるんだという視点を持ってもらえるといいですよね。
4. 一応報告してるけど、伝え方があいまいなタイプ
こんな言葉がけが最適
「それを聞いて、“じゃあ次に何をすればいいか”が伝わるように話してくれると、すごく助かるなあ」
接し方のポイント
このタイプには、「話す=伝える」だけじゃなく、「相手に伝わること」が大切なんだと意識してもらうのがポイントです。
5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうやって)や、「まず結論から伝える」などの基本的な話し方の型を、実践を通じて少しずつ身につけてもらいましょう。
誰にでも“報連相が苦手な理由”ってあるものですよね。
でも、タイプに合わせた関わり方を心がけることで、少しずつ前向きな変化が見えてくることも多いです。
焦らず、でも継続的に声をかけていくこと。それが、報連相を自然と生み出す職場づくりの第一歩かもしれませんね。
報連相を根づかせるために意識しておきたい共通のアプローチ
報連相がうまくできない部下に対しても、実はどのタイプにも通じる基本的な関わり方があるんですよね。
ただ「指導する」だけでなく、報連相を日常的な“職場の文化”として浸透させていくためには、普段からのちょっとした心がけがカギになります。
ここでは、どんな部下にも共通して使えるベースのアプローチをご紹介します。
個別に話せる時間を大切にする
注意や指摘をみんなの前でしてしまうと、相手のプライドを傷つけてしまうこともありますよね。
だからこそ、1on1のような落ち着いた場を設けて、相手の考えや背景をしっかり聞きながらフィードバックするのが理想的です。
報連相を「ルール」ではなく「自然な習慣」に
「こうしなさい」という指示よりも、日々の中で“こうすると上手くいくんだ”と体感してもらうほうが、報連相は根づきやすいんですよね。
たとえば、うまくいった報連相の例を朝礼や会議で紹介するだけでも、「自分もやってみようかな」と思えるきっかけになります。
上司こそ、率先して情報をオープンに
「やりなさい」ではなく、まずは自分がやってみせること。これ、意外と効果があるんです。
上司のほうから日々の状況や判断の理由を共有していくと、「こういうふうに話せばいいのか」と周囲にも伝わりますよね。
報連相が一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションになると職場の風通しもぐっと良くなります。
報連相しやすい環境づくりで“習慣化”をサポート
報連相が苦手な人がいたとしても、職場全体が「話しやすい空気」になっていれば、少しずつでも行動に変化が出てくるんですよね。
ここからは、報連相が自然にできるようになる環境づくりの工夫をいくつかご紹介します。
何をどう伝えるか、基準を明確に
「必要に応じて報告して」といった曖昧なルールではなく、「〇〇のときはすぐに連絡」「業務終了後は進捗を日報に」など、具体的な基準を決めておくのがポイントです。
「何を・いつ・誰に・どのように伝えるか」を明文化するだけで、迷いが減って行動に移しやすくなるんですよね。
定期的に話せる時間を仕組みに
報連相を“特別なこと”にしないためには、1on1や週次のミーティングなど、自然に話ができる機会を定期的に設けておくといいですよね。
「報告するための時間」が最初から予定にあることで、心理的なハードルもぐっと下がります。
事例を共有して、気づきを促す
実際のやり取りをもとに「この伝え方はわかりやすかった」「こうしたらもっと伝わったかも」といったケースをみんなで共有するのも、とても最適です。
成功例だけでなく、少し失敗した例も含めて一緒に学べるような雰囲気をつくっていきたいですよね。
評価項目に“報連相の質”も組み込む
業務の成果だけでなく、「報連相ができているかどうか」も評価の一部として取り入れるのも有効です。
「報連相も仕事のうち」という認識を持ってもらえると、意識も変わってきますよね。
こうした仕組みや関わりを少しずつ取り入れていくことで、報連相が無理なくチームの中に浸透していきます。
最初から完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ積み重ねていくのがポイントですよね。
2. 報連相を根づかせるには、信頼関係がカギ
職場で報連相をスムーズに行えるようにするには、「この人にはちゃんと話して大丈夫」と思ってもらえる関係が大切ですよね。
その信頼感をつくるには、ふだんの声かけや反応の積み重ねが大きくものを言います。
報告や相談には、まず「ありがとう」を
ちょっとした一言でも、「報告してくれてありがとう」や「助かったよ」と返すだけで、相手の安心感はずいぶん変わってきますよね。
こうした前向きなやりとりの経験が、「また話してみようかな」と感じてもらえるきっかけになります。
ミスがあっても、頭ごなしに責めないこと
うまくいかなかったことがあったとしても、最初に大事なのは冷静な対話ですよね。
「じゃあ次はどうすればいいと思う?」と一緒に考えるスタンスを取ることで、相手も前向きに受け止めやすくなります。
「叱られそうだから黙っておこう…」という空気があると、報連相はどうしても遅れがちになってしまいますから、安心して話せる土台を意識したいところです。
上司も率先して情報を発信する
報連相を求めるなら、まずは自分からも情報を出す姿勢が大切ですよね。
たとえば、自分の仕事の進行状況や方針の背景、なぜその判断に至ったかなどを共有しておくと、相手にも自然と信頼が生まれてきます。
上司の透明性が高まることで、チーム全体の情報の流れもよくなりますし、「相談していいんだ」と思ってもらえるようになります。
3. 日常の声かけが、話しやすい空気をつくる
報連相って、いざ必要なときだけやるものではなくて、普段のちょっとした会話の中から育っていくものなんですよね。
「話しかけやすい空気」を日常の中でつくっておくことが、いちばんの下地になります。
まずは気軽に声をかけるところから
「最近、困ってることない?」とか「調子どう?」といった何気ない声かけが、実はすごく大事なんですよね。
こうしたやりとりがあると、「何かあったときにも話しやすいな」と思ってもらえる土壌が育ちます。
「完成してから」じゃなく「途中でもOK」を明言する
相談のタイミングって、人によってすごく迷いやすいんですよね。
だからこそ、「途中の段階でも全然いいから、早めに声かけてね」と繰り返し伝えておくのが大切です。
「8割できたくらいで一度相談してくれると助かるよ」といった目安を示しておくと、より伝わりやすいですよね。
チャットやメールの使い方にも一工夫を
デジタルツールも「話しやすさ」を後押しするための重要な仕組みです。
たとえば、「相談用」「報告用」など目的別にチャットチャンネルを分けたり、あらかじめ使いやすいテンプレートを用意しておくだけでも、ぐっと相談しやすくなりますよね。
報連相って、単なる業務スキルというより、日々の空気感や人間関係に根ざした“文化”のようなものですよね。
だからこそ、「話しやすい」「聞いてもらえる」という実感を、日々のコミュニケーションの中で育てていくことが、いちばんの近道なんです。
おわりに!報連相が自然と生まれるチームを目指して
職場で報連相がうまく回らないからといって、それがすぐに「その人の能力のせい」とは限りませんよね。
実際のところ「話しかけづらい雰囲気だった」「報連相の大切さを知らなかった」「相談すると怒られそうで…」といった、心理的な壁や職場環境が原因になっているケースも多いものです。
だからこそ、「報連相って何のために必要なのか」をあらためて伝えることが大切なんですよね。
さらに、相手の性格や考え方に合わせた接し方を心がけていけば、少しずつでも意識や行動は変わっていくはずです。
そして何より効果的なのは、上司自身がフラットな姿勢でやりとりすること。
「いつでも話せる」「相談しても大丈夫」と思えるような雰囲気があるだけで、報連相って自然と増えていくんですよね。
そうした“言いやすい空気”が育ってくると、チーム全体の連携もスムーズになって、結果として組織の力も大きく底上げされていきます。
報連相は一朝一夕には定着しませんが、日々の積み重ねが確実に「伝わる職場」につながっていくんですよね。